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ではベジエ曲線はどうやってできるのでしょう?
ベジエ曲線がどのように動くのか、点を触ってみて感覚が摑めたかもしれません。では、実際のところベジエ曲線とはいったい何でしょうか?これを説明する方法は2通りありますが、どちらの説明でも行き着く先はまったく同じです。一方は複雑な数学を使うのに対し、もう一方はとても簡単です。というわけで……簡単な説明の方から始めましょう。
ベジエ曲線は、線形補間の結果です。というと難しそうに聞こえますが、誰でも幼い頃から線形補間をやってきています。例えば、何か2つのものの間を指し示すときには、いつも線形補間を行っています。線形補間とは、単純に「2点の間から点を得る」ことなのです。
例えば、2点間の距離がわかっているとして、一方の点から距離の20%だけ離れた(すなわち、もう一方の点から80%離れた)新しい点を求めたい場合、次のようにとても簡単に計算できます。
[ \left ( \begin{aligned} p_1 &= 一方の点 \ p_2 &= もう一方の点 \ 距離 &= (p_2 - p_1) \ 比率 &= \frac{百分率}{100} \ \end{aligned} \right )のとき、新しい点 = p_1 + 距離 \cdot 比率 ]
では、実際に見てみましょう。下の図はインタラクティブになっています。上下キーで補間の比率が増減しますので、どうなるか確かめてみましょう。最初に3点があり、それを結んで2本の直線が引かれています。この直線の上でそれぞれ線形補間を行うと、2つの点が得られます。この2点の間でさらに線形補間を行うと、1つの点を得ることができます。そして、あらゆる比率に対して同様に点を求め、それをすべて集めると、このようにベジエ曲線ができるのです。
また、これが複雑な方の数学につながっていきます。微積分です。
いま上で行ったものとは似つかないように思えますが、実はあれは2次曲線を描いていたのです。ただし一発で描きあげるのではなく、手順を追って描いていきました。ベジエ曲線は多項式関数で表現できますが、その一方で、とても単純な補間の補間の補間の……というふうにも説明できます。これがベジエ曲線のおもしろいところです。これはまた、ベジェ曲線は「本当の数学」で見る(関数を調べたり微分を調べたり、あらゆる方法で)ことも可能ですし、「機械的」な組み立て操作として見る(例えば、ベジエ曲線は組み立てに使う点の間からは決してはみ出ないということがわかります)ことも可能だということを意味しています。
それでは、もう少し詳しくベジエ曲線を見ていきましょう。数学的な表現やそこから導かれる性質、さらには、ベジエ曲線に対して/ベジエ曲線を使ってできるさまざまな内容についてです。